マキタ 40Vmax インパクトドライバー TD002Gの設定アプリで出来ることで紹介したiPhone/AndroidアプリMakita Tool ManagementがVersion 2.0.1.0にアップデートされたので紹介したい。
重大な変更点としてバッテリチェッカ機能の追加があげられる。これはこれまでポータブルバッテリチェッカBTC04と、40Vmax互換アダプタBTC05を買わないと出来ないことだったのだが、ADP11とスマートフォンがあれば代替可能になった。
また同時期にWindows版アプリの提供も開始されているので併せて紹介する。
追加された機能
バッテリチェッカ
はじめにも書いたが、40Vmaxバッテリーのバッテリチェッカ機能が追加された。BTC04同様に次の項目が確認できる。
[履歴・チェッカ] バッテリ側
- 充電回数
- 寿命進行度
- 残容量
- バッテリ温度
- バッテリ電圧
- バッテリセル電圧
- 最高温度ヒストグラム
- 最大電流ヒストグラム
- 故障内容
これでポータブルバッテリチェッカBTC04と、40Vmax互換アダプタBTC05が不要になるが、18Vバッテリーには対応していない。あくまでADP11が差し込める40Vmaxバッテリーのみ。バッテリーチェック中に工具側は特に何も差していなくてもよい。
またスマートフォンとBluetooth通信した上でアプリの起動も必要なので、頻繁にバッテリーをチェックするような用途には、BTC04+BTC05を使用したほうが手軽でよい。
手元のバッテリーで試したが、BL4080Fまで問題なくチェックできた。BTC04同様にどのバッテリーでもセル電圧の表示は1から10まで。また充電回数欄は充電回数が0回の場合、” – 回”と表示されるようだ。
工具情報の確認
さらに工具側の情報の表示機能も追加された。こちらは今までユーザー側で確認できなかった情報になる。
[履歴・チェッカ] 製品側
- 駆動情報
- AFT作動回数
- 保護機能作動回数
- バッテリ
- 過保護保護
- 製品
- 過保護保護
- 温度保護
- モータロック
- その他
- バッテリ
AFT作動回数というのが気になるが、これは今まで発売済みの電動工具に記録された情報だったのか、今後発売する電動工具で対応していく項目なのか、はっきりしないので所持中のAFT機能搭載の電動工具で試してみた。
まず振動ドリルドライバHP001Gをアースドリルビットを付けて木の根目掛けてキックバックするように何度も試したが、AFT作動回数は”-回”のままだった。ただ製品の過負荷保護はカウントが相応に増えていた。
次にディスクグラインダーGA019Gを多羽根ディスクを付けて、固定した鉄板に押し当てて止めてみたが、やはりAFT作動回数は”-回”のままだった。
今回試した電動工具がAFT作動回数の記録に対応していないのか、今回のテストではAFTが作動するに至っておらず、バッテリー充電回数と同様に0回が”-回”表示になっているのかは分からなかった。
ディスクグラインダーのテストはAFTの動作条件とは違うような気がするが、切断砥石でのテストは危険なので控えたいところ。同様に草刈機もあるが試していない。
メモ機能[単体モード]
一度アプリで通信アダプターにメモを保存しておいて、通信アダプターに電動工具、バッテリーを差し込むだけで保存しておいたメモを登録する機能。複数の電動工具、バッテリーに連続して同じメモを登録する際に使用する。
例えば通信アダプターに持ち主の名前を保存して、すべての電動工具、バッテリーに登録しておく。などの使い道が思い浮かんだが、メモを確認するのに通信アダプターが必要なので、そもそもメモ機能にあまり意味がないような気もする。
大量導入する企業がついでに使用開始日でも記録しておくんだろうか。
通信アダプター使用不可の製品
ADP11のマニュアルに記載があるが、次の製品は物理的に干渉するためか、使用不可になっている。
- MLM001G 充電式芝刈機
- MLM002G 充電式芝刈機
- CF001G 充電式ファン
逆に他は使用できるのかと気になって試したのだが、保冷温庫CW003Gには干渉せず使用できた。
Windows版アプリの提供開始
アプリの機能の追加というわけではないが、Windows版アプリも公開されている。
こちらはこれまでのスマートフォンアプリでできた電動工具(TD002G)の設定はできず、履歴・チェッカ、メモ機能しか動作しない。
スマートフォンアプリとは異なりBluetooth接続ではなく、USB-C接続のみとなる。※PC側はUSB-AでもUSB-Cのどちらでも構わない。
技術仕様
USB接続した通信アダプタはWindows側ではCOMポートとして認識される。アプリ側でCOMポートを指定する。
Windowsに下記のインストールが必要。Makita Tool Managementのインストーラーに付属。
- .NET Desktop Runtime 6(x86)
- FTDIChip CDM Driver Package ※USBデバイスのCOMポート用ドライバー
.NET Desktop Runtime 6はWindows 7以降で動作可能のため、確認してみたところWindows 7 SP1でも起動可能。2023年1月現在Windows 10, 11以外はOSのサポートが終了しているため非推奨。
.NET 6の補足
「.NET Runtime 6」 通称「.NET 6」はマルチプラットフォーム用のランタイムで、Windows, macOS, Linux版が用意されている。ただこのアプリが使用するのは、「.NET Desktop Runtime 6」。
「.NET Desktop Runtime 6」はWindows版のみなので、Makita Tool ManagementはWindowsでしか動作しない。
アプリ更新履歴
各アプリストアによると、Andoroidでは2022年9月にはリリースされていた機能だが、マキタからの公式リリースは2023年2月現在も目立ったところにはない。
iOS
- 2022年11月28日
- 2.0.10
- 通信アダプタの動作モード追加
- 履歴・チェッカ表示機能追加
- 軽微な不具合修正
Android
- 2022/09/30
- 2.0.10
- 通信アダプタの動作モード追加
- 履歴・チェッカ表示機能追加
- 軽微な不具合修正
Windows
- 公開日詳細不明(2022年12月頃?)
- 1.0.10